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商品開発どうでしょう第2話 文具女子博潜入夏の陣

あ、ありのまま今起きたことを話すぜ。前回、この“売れる”オリジナルグッズを自社開発しよう。通称”商品開発どうでしょう”の第一話を書いて、すぐに2回目をって思ったら全然書けていなかった。
何を言ってるかわからねーと思うが、おれも、、、いや、あの、すみません。なかなか書けず!いや、私が無能なばかりにいろんなコラムを書いて、なんの成果もあげられませんでした!!
はい。雑貨をはじめ文具、化粧品のアクセサリーやケースでOEMで商品開発するならMOKUがおすすめ!と覚えてもらいたい。MOKUコラム担当なかのひと1号です。マーケ歴18年、元・医療機器のD2Cでマーケティングを担当。今は今回のコラムでも書いている文具OEMの企画や「ちょっとエモい」プロダクトづくりを支援しています。このコラムでは、文具OEMで“なんとなく売れそうな気がする”商品を、ちゃんと売れる商品にするためのヒントを探してきました。
さて、話を商品開発どうでしょうに戻しますと、プロジェクト立ち上げ直後の「何から手をつけていいか分からなかった話」が第一話なのですが、裏ではかなり動いておりまして、、、
すでに、こういうのを作ろうと思っている。というレベルに来ています。
社外秘もあるため、ちょっとぼやーんとさせてください。
ちなみに、作るジャンルは、「文具」です。え?なぜ文具?成熟市場で振興ブランドが差し込めるような隙間のないレッドオーシャンじゃん?といった声がありそうなので、そのあたりも含めて解説していければと思っています。ちなみにですが、今回はOEM文具での市場調査回となっています。
価格は?予算は?納期は?などは別のコラムで書いています。この辺りを深掘りしたい!という方は、
コラム>「OEM雑貨でサスティナブルD2Cを始めたい!最低ロット・費用・納期の丸わかりガイド」こちらをお読みください。
なぜOEMで文具をD2Cで、なのか
OEMやD2Cではよく挙げられるのが化粧品ですが、化粧品となるとこれまで私たちがつくった経験はさほど多くなく(まったくないわけではないのですが)。
化粧品のD2Cのとんでもなくレッドなオーシャンを知っている身としては、あえてそこに飛び込んだらぁ!って気持ちもなくはない。でも、私たちのもっている木のこと、国産材をつかうこと、環境配慮になること、社会課題への解決を目指すことといった理念的なことを考えると化粧品だと木を絡めてあれこれやるというがちょっと難しい。
そして、OEMで人気のものでいうとアロマオイル、エッセンシャルオイルがあります。これもちょっと難しい。
ヒノキの精油っていい香りだけど、アロマ市場ではシングルオイルが人気で、まずはラベンダーやカモミール、ゼラニウムといった花物、次にオレンジやレモンといった果実物、そして、ミントやユーカリといった葉物。
ヒノキの香りのアロマって、シングルオイルではなかなかにむずかしい。先の花や葉物のオイルに木の成分を裏打ちのように混ぜるととってもいい香りになるのですが、そのブレンドを専門家が施したうちのアロマオイル、エッセンシャルオイルはとんでもなく人気があります。
OEMアロマで人気のブレンドエッセンシャルオイル
ブレンドエッセンシャルオイル商品ページはこちら
全国展開しているこだわり系の雑貨店様のアロマオイルに採用いただいていて毎年、飛ぶようにOEMでリピートが入り商品が売れていきます。オリジナルブレンドでつくることもできますが、プロの調香師、アロマセラピーの専門家が定番の香りパターンを用意しています。

気になる方はお問い合わせください。サンプル発送は無料です。香りパターンは5種あります。大抵のニーズにはマッチするので、このベースのブレンドをもとにしてオリジナルの香りを入れたりもできます。
また、地方創生のニーズにも応えることができます。そう、地域の木でつくりたい。というのもできます。この木でつくれる?支給材でつくれる?と聞いてください。
はい、ようやくですが、なぜOEMで文具をしかもD2Cでつくるのか?と、ざくっといいますとですね。まず、木製品との相性がとてもよい。ということがあります。
エモ文具、デコ文具をOEM自社ブランドに選んだ理由
ほかにもいろんなOEMの候補があったのです。デジタルガジェットなどもありました。でも、文具を選びました。ただ、文具といってもボールペンでスラスラとインクが出て小気味よいような機能性の高い文具(ここはもう超絶成熟市場かつ大手がひしめくレッドオーシャン)ではなく、ちょっと変わったデコ文具、エモ文具と呼ばれるニッチなジャンルのものを選んでいます。
エモい文具や、手帳デコなどで人気のデコ文具については、さくっと説明しますと、手帳はタスクや進捗、スケジュールの管理をするものではありません。メモも、ただ要件を伝えるためのものではなく、ボールペンもあえて滲むことがよいとされるような世界です。機能性がガチで求められる文具ではなく、それを使うことが自己表現の手段となるようなものなんです。デコ手帳では、日記のなかにデコ、飾り付けるという要素を加えることでドールハウスや箱庭、スケッチのような充実・充足感を得られるようになります。
このジャンルのエモ文具は、文具として機能的な要素はほとんどもとめられず、自分を大切にする実感を得るということがはるかに重要です。
なぜ自分を大切にする実感を得るということが求められてきているのか?というと、デジタルやAIが浸透し、成果、行動、発言、正しさ、あらゆるものが“評価される”どことなく息苦しさを社会全体が感じ始めているからです。エモ文具は、そんな社会に対しての静かなカウンターカルチャーとして求められている存在のひとつといえます。

私自身、仕事でAIを使わないことはないですし、パーソナライズ化されたデータ分析の精度にも感心する毎日です。そんな世界や社会の変化に「便利だなぁ」と関心する一方で、仕組みのブラックボックス感や仕事や生活に入り込む異常なまでのスピード感には、言葉にできない不安を感じることもあります。
だからこそ、デコ文具やエモ文具は、“アナログであること”ではなく、“アナログを感じさせること”が大切です。たしかにアナログでつくられているのだけど、デジタルの世界や社会とつかず離れずの距離感で寄り添うような存在。デコ手帳では、具体的な日常の一瞬を、あえて抽象的にすくい上げて、少し引いた視点から見つめ直して表現するような。そんな曖昧さと余白が、かえって自分自身と向き合うきっかけになるのかもしれません。
この世界観は、言葉にしようとするとすぐには捉えきれないような、繊細で感覚的なものです。ファッションでいうならば、流行はちゃんと抑えるんだけど個性を出しすぎず“トレンドを着崩す”ような絶妙なバランス感覚が求められる——そんなイメージで捉えるのがもっともわかりやすいかもしれません。
木の文具ならそのあたりでいうと、アナログもアナログ、温もりややさしさを存在するだけで感じさせてくれるし、デコ・エモ文具の「気分を上げる。」「人生を豊かにする。」というところでとても相性がいい。
そして、日本の森のことを考えると、国産の木をたくさんつかうことで、日本の森の環境を良くすることになるのはもちろん、近年問題になっている森の動物が街に降りてくる問題に対して解決の一助にもなります。もちろん、ここ数年いわれる温暖化などの気候変動対策にもばっちり対応できます。
文具として、エモくてデコれて、クリエイティブの要素を取り込めて、消費としての選択が、社会や未来のためになっていることも、気分をよりあげる。人生の選択の質をあげることになるんじゃないかな、とおもっています。
文具OEM、D2C文房具の市場調査をしてみよう。
というわけで行ってきました。そう、あそこ「文具女子博トーキョー」へ、文具女子博すっごい人気でした。イベントとしていわゆる販売のできる展示会の部類に入るのかなと思うのですが、なんと入場料がかかります。それでも長蛇の列で会場は人でごった返していました。
一応会場内の写真撮影は可能なのですが、ほかのお客様に迷惑にならないようになどを踏まえると、ここでの掲載は控えますなので、イメージをAIにつくってもらいました。
いや、あのですね。40くらいの男一人で行くにはかなりアウェイ感のある世界でしたが、手紙社さんの東京蚤の市などにも行ったことがあるのですが、また少し違う世界観と言いますか、蚤の市さんのほうは、雑貨やインテリア、アパレル、フラワー、飲み物食べ物、リュックなどバッグと幅広く取り扱っていて、文具女子博は完全に文具オンリー
ただ、機能性文具というよりは、デコ文具、エモ文具が中心で、人気のものというと、スタンプ、シール、マステ、シーリングスタンプなど。今回、私たちがつくっていきたいBtoC商品に近い商材のコアなお客様が揃っています。
文具OEMの市場調査、愛好家さんの声を掴む。
各社の商品をお客様目線で見つつ、たくさん商品を購入されている方がどういう商品をよく手に取っているのか?店員さんと話をされていればどんな会話がされているか?行列ができているお店に共通していること、マーケティング目線で市場調査をしつつ見てきました。
個人的にですが、市場調査をするときって森岡毅さん的なロジックでいうとめちゃくちゃそれが好きな人と、一般の人の両方のニーズとウォンツを把握していくという感じで行います。
文具女子博のこのお客様は、あきらかにめちゃくちゃにそれが好きな人たち(いわゆるイノベーターやアーリーアダプター)。この方達が求めるコトやモノを把握した上で磨きをかけて、一般の人たち(アーリーマジョリティ)にも刺さるように展開できるか?ここが肝心なポイントになると思っています。
ちなみに、一般の文具店や雑貨屋さんでのお客様の反応は一般的なアーリーマジョリティの声となります。なので市場調査をするときは、こういうガチ目のイベントへの潜入と、一般的な売り場の調査、最低限この2つの視点で調査をすると外れにくいかなと思っています。
・めちゃくちゃにそれが好きでこだわっている人の声
・一般のお店などでそれを手に取っているような人の声
もちろん、定量分析とか定性解析とかやる必要はあるのですが、それも先の2つの視点でつくった仮説が先にあって、それを市場へテストをするときの指標として数値評価していくために使うというのが費用対効果的にもいいのかなと思います。
D2C成功を分ける?定量解析、定性分析をしよう
さて、いまの私たちの商品は、モックアップをつくっている段階です。このモックアップができたら次に待っているのが章のタイトルにもなっている定量解析、定性分析です。
これも先の2つの視点をもとに行います。めちゃくちゃ好きな愛好家さんの声と、一般の方の声です。
やり方は、いろいろあるのですが、前職で医療機器D2Cでおしゃれとは縁遠かった機器におしゃれな視点を加えて販売をした際には、この感度の高い人たちをお呼びして座談会を開催。ほんと奇譚のない声をたくさんぼっこぼこにいただいて、ここの具体的な声をあつめて共通している声を中心に改善。
こちらの愛好家さんたちの声のヒアリングで大事なことは、先鋭化です。ここがいい。これがエモい、などの声を集めるようにして、角を丸くしてしまうようなことはしないようにします。
次に定量解析で一般的な声をあつめる。という形で、先の愛好家さんたちの声を聞いてめちゃくちゃにとんがったコンセプトの商品を一般化するときの課題を数のロジックで炙り出します。
もちろん、このあたりは人や組織によってやり方は変わりますし、商材によって、市場の状況によって順番や目的がかわります。あくまで一つの型としてつかっていただけると幸いです。
文具OEMで今回の定性解析
今回のオリジナルグッズ製作はまだ、モックアップがつくれていないのでテストに辿りついてはいませんが、先の愛好家さんに目掛けたテストを行うことは確定しています。
というのも、私の知人で雑貨屋さんを経営されている方が2人おりまして、両名とも地方の雑貨屋さんでありながら県内外、都内外の遠方からお客様がわざわざ足を運んでくるような知る人ぞ知るお店です。
その雑貨屋さんにPOP UP STOREという形でテスト販売を実施。店主の方にもストレートに声をもらいながら、お客様からもストレートな声をいただいてしまおう。というものです。雑貨屋さんで声をいただいた方から、さらに協力してくれるという方は座談会などで声をいただくということも検討しています。
今回、結構ガチでやるつもりです。でも、本気で商品をつくるってそういうことだと思います。
本気でやるから面白くなるわけで、ちょっと売れそうとか、どこかで売れているからではなく、本気で市場を見て、どうやったら受けるか?本気で考えると本当に面白いです。
文具OEMの市場調査をしよう。まとめ
というわけで今回は「D2C文具ってどうやって市場調査するん?」という問いに、「おれはこうするぞッ!ジョジョーー!!」と、マーケティング専門家の森岡毅さんリスペクトもしつつ、私がやっている手法を公開しています。
これ、実際に前職のD2Cで私が実施した市場調査ベースで、それなりに当てている手法なので、真似ていただいて大きく外れることはないかなとも思います。ちなみに方法をざっくり言うとこうです。

いやはや、AIやデジタルテックが先鋭化してきて、どんどん手軽にいろんな調査などができるようになっていている中でも変わりないことがあると思います。このコラムで、数値や技術に溺れることなく地に足のついた様々なOEM、オリジナルグッズ開発の一助になれるとうれしいです。
といっても、私たちの商品もまだ売れるかどうかわかっていないので、えらそうにいうんじゃねぇ!という声もぐさっと自分に刺しながら前に進んでいければと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
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