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こんにちは、オリジナルグッズの商品開発といったらMOKUということを知ってほしい。そんな思いでコラムを書いています。コラム担当なかのひと1号です。私たちはこれまで、主に法人向けに、国産木材を活用した雑貨などのOEM製造を手がけてきました。
近年では、SDGsやESGといった価値観の高まりもあり、「森を守る」コンセプトに共感し、当社にご相談いただくケースも増えてきています。とにかく、サスティナブルな商品をつくりたい。SDGsに貢献する商品開発を進めたい!そんな声にたくさん応えてきました。
とはいえ、とはいえですよ?
より多くの企業様に「自社でも木製OEMを取り入れてみよう」と思っていただくには、まだ課題があります。
そのひとつが、“イメージの共有の難しさ”です。
木製品は、素材や加工の選択肢が多く、また「やさしさ」「あたたかみ」「エモさ」といった感覚的な価値で選ばれることも多いため、文章や画像だけで企画の魅力を伝えきるのはなかなか難しいのが現実です。そこで私たちは、こう考えました。
自分たちでつくったらいいんじゃない?
これまでのOEMから学んできた”売れる。”
OEMで「売れるもの」を作るというのは、言葉にすれば簡単ですが、現場では予算・ターゲット・販路・ブランディングなど、さまざまな判断が求められます。
「もし、自分たち自身が顧客だったら、どんなプロセスで商品を作るのか?」この問いに真正面から取り組むことで、「お客様への提案の幅を広げることができる」「自社での成功・失敗を通じた“リアルな経験”が得られる」「"こういうの作れますか?"と尋ねられる商品見本になる」
なにより、自分たちで「売れる」商品が作れたら、説得力が格段にあがるとも。
「道を知っていることと、実際に歩くことは違う。」これは、私が大好きな映画『マトリックス』で、モーフィアスが主人公ネオに向けて語るセリフです。
私たちのお客様では、実際に弊社とOEM商品をつくり、大きな販売実績を上げておられる企業様がたくさんいらっしゃいます。
そして、その構造を丁寧に分解していくと、私たちの課題として、決して外せない大きな要素がひとつあることに気づくのです。
それが──ブランディングという“見えない壁”です。
商品が「売れる」という現象の裏には、必ず“ブランディング”の力があります。
そして、私たちのOEMという仕事は、この“ブランディング”と深く関わっています。
私たちのようにOEMで「モノをつくる側」の立場としては、ブランディングに直接的に貢献するというよりも、お客様が積み重ねてきたブランディングを“表現する媒体”として、私たちの商品が機能しているケースがほとんどです。
売れる”ブランドをつくる”こと。
実は、OEMでモノをつくるうえで、常に直面する問いがあります。
それは──「ブランドに合わせるのではなく、ブランドをつくる。」これができているだろうか?という問いです。
たとえば、世界的に有名なコーヒーチェーンが、もし私たちとグッズ開発をしたとしたら。そこにはすでに完成されたブランドイメージがあります。そのブランドが大切にしている世界観や価値観に、グッズを合わせていく──これが私たちのOEM、商品開発の仕事です。
あるいは、まったく新しいブランドが立ち上がり、その商品を開発する場合であっても、「そのブランドらしさ」とは何か?という解釈がまず必要になります。そして、それはお客様が作ってきた要件を解釈して商品に落とし込むという形になるのです。
私たちはブランドの要件や意図に合わせてモノを”つくる”ことはできる。でも、そのモノを“売る”ところまで担っているわけではないのです。
これを、先のマトリックス風に言い換えると、「つくって“売れた”ブランドを知っていることと、実際にブランドをつくって“売るようにする”ことは違う。」
売れている。もしくは売れそうなブランドに合わせてものをつくるのではなく、ブランドをつくってものを売る。言葉としては近いのですが、そこには大きな壁があると思います。
もっというと、“知識として知っている”ことと、“実体験としてやる”ことの深いギャップ。
これは、きっと多くの方にご理解いただけるのではないでしょうか。(そうは言っても、たまにちょっと触れただけで「自分もできる」と思い込んでしまう……ごほんごほん)というわけで今回、私たちは会社としてこの言葉を自ら体現するために、「実際に自社で商品をつくって、売ってみる」という企画をスタートさせました。
「道を知っている人」ではなく、「実際に歩く人になるべく」
私自身が、そこに挑戦してみようというわけです。
実際に、売れる商品が作れるようになれば、お客様のブランディングを1からつくるところから相談に乗ることができるようになると思いますし、そうでなくともブランディングに合わせて作る場合でも、ブランドへの解像度が一気にあがり提案の深みが一層増すと思っています。
え?でも、そんなこと言って、うまくいかなかったらどうするんだ?
失敗って成長の一歩だと思うんです。
なんでもそうだと思うんですが、一流のアスリートとか、アーティストってむずかしいことをいとも簡単そうにやってのけると思うんです。
でも実際にやるとすんごいむずかしいですし、できるようになるまで失敗もたくさんします。そんな失敗をたくさんこなさないと、成長していかないですし、できるようになったらすんごい楽しい。
それに、サッカーで言うと、「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ。」といったロベルト・バッジョの言葉もあります。
というわけで、あらかじめ失敗して笑われる前提にして、それでもなお黄金の精神で、暗闇の荒野に!進むべき道を切り開いていくことだ。と失敗から学び続けて、いつか成功につながればいいな。と思っています。
まとめ -リアルな体験で、OEM提案力を-
今後、この商品開発のプロセスはすべてこちらのMOKUのコラムとサブストーリーをnoteにて連載していく予定です。
商品が売れるまでの流れ、実際に展示会で得た反応、企画段階で迷ったこと、予算内で実現するために取った工夫なども、包み隠さず公開していきます。
この連載が、OEMを検討されている企業様にとっての参考事例になること、オリジナルグッズや販促品の企画を検討されている担当者様にとって、ヒントになること、木製品の可能性を感じていただけるきっかけになること、ほんの少しでもお役に立てることを願っています。
次回は、プロジェクト立ち上げ直後の「何から手をつけていいか分からなかった」段階について、お届けします。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。これから先も飽きずに、どうぞよろしくお願いいたします。
あ、noteをこっそりはじめました。
- 商品開発どうでしょう
- ひょんなひとことから、OEM受注を増やすためにBtoC商品を開発することになってしまったマーケティング担当者の悲痛な叫び。

